財産的基礎・金銭的要件
投稿日:2023年6月28日 | 最終更新日:2024年5月13日
こんにちは。行政書士の中居弘和です。
今回は、4つ目の要件である、「財産的基礎・金銭的要件」についてご説明させていただきます。
財産的基礎・金銭的要件の判断基準は、原則として既存の企業にあっては申請時の直前の決算期における財務諸表により、新規設立の企業にあっては創業時における財務諸表によります。
1.一般建設業許可の場合
請負契約(軽微な建設工事を除く)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していることが必要になります。
その要件は、以下の(イ)~(ハ)のいずれかに該当する必要があります。
(イ)自己資本の額が500万円以上であること
(ロ)ロ 500 万円以上の資金を調達する能力を有すること
(ハ)ハ 許可申請前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
2.特定建設業許可の場合
請負代金の額が 8,000 万円以上のものを履行するに足りる財産的基礎を有している必要があります。
その要件は、以下の(イ)~(ハ)のすべてに該当する必要があります。
(イ)欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
(ロ)流動比率が75%以上であること
(ハ)資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること
【特定建設業の財産的基礎】
事項 | 法人 | 個人 |
欠損比率 | {│繰越利益剰余金│-(資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金(繰越利益剰余金は除く))}/資本金×100≦20% | {事業主損失-(事業主借勘定-事業主貸勘定+利益留保性の引当金+準備金)}/期首資本金×100≦20% |
流動比率 | 流動資産合計/流動負債合計×100≧75% | 流動資産合計/流動負債合計×100≧75% |
資本金額 | 資本金≧2000万円 | 期首資本金≧2000万円 |
自己資本 | 純資産合計≧4000万円 | (期首資本金+事業主借勘定+事業主利益)-事業主貸勘定+利益留保性の引当金+準備金≧4000万円 |
※欠損比率の要件について、繰越利益剰余金が正である場合や、「資本剰余金、利益準備金及びその他利益剰余金(繰越利益余剰金は除く)」の合計が繰越利益剰余金の負の額を上回る場合、要件を満たします(上記の計算式は不要です)。
※資本金額の要件については、申請日までの増資により基準を満たす場合は可となります。(事実を確認できる履歴事項全部証明書を添付する必要があります。)。
なお、特定建設業の許可更新にあたり、直前の決算期における財務諸表の内容が基準をすべて満たしていない場合、許可の更新できないので注意が必要です。
3.各種語句について
(1)自己資本…法人にあっては貸借対照表における純資産合計の額を、個人にあっては期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額をいいます。
(2)資金の調達能力…担保とすべき不動産等を有していること等により、500 万円以上の資金について取引金融機関の預金残高証明書又は融資証明書等を得られることをいいます。
(3)欠損の額…法人にあっては貸借対照表の繰越利益剰余金が負である場合にその額が資本剰余金、利益準備金及び任意積立金の合計額を上回る額を、個人にあっては事業主損失が事業主借勘定から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金を加えた額を上回る額をいいます。
(4)流動比率…流動資産を流動負債で除して得た数値に100を乗じた数をいいます。
(5)資本金…法人にあっては株式会社の払込資本金、有限会社の資本の総額、合資会社、合名会社等の出資金額を、個人にあっては期首資本金をいいます。
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