投稿日:2024年2月10日 | 最終更新日:2024年2月10日

こんにちは。行政書士の中居弘和と申します。
こちらのページでは「解体工事業の登録」制度についてご説明します。
なお、このページの説明は岩手県で示している「解体工事業登録申請要領」に基づいて作成しております。

【目次】
1.解体工事業登録制度について
2.そもそも「解体工事」ってどんなもの?
3.解体工事業登録の必要な解体工事はどんなもの?
4.解体工事業登録の要否はどう判断するの?
5.解体工事業登録の要件
6.解体工事業登録の有効期間
7.解体工事業登録申請に必要な書類・申請手数料
8.行政書士報酬額
9.事務所概要

1.解体工事業登録制度について
解体工事業を営む場合には、当該解体工事業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の登録を受けなければいけません(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下、「法」という。)第21条第1項)。
したがって、複数の都道府県で解体工事業を行おうとする場合には、当該解体工事業を行うそれぞれの都道府県知事の登録を受ける必要があります。
なお、建設業許可(土木工事業、建築工事業、解体工事業の3種類のいずれか)を取得している場合は、登録が不要になります。

(例)
(建設業許可なし)解体工事業を行うのが岩手県のみ⇒「岩手県」知事登録が必要。
(建設業許可なし)解体工事業を行うのが北海道、青森県、岩手県の3県
 ⇒「北海道」「青森県」「岩手県」知事登録が必要。
(建設業許可(建築)あり)解体工事業を行うのが岩手県のみ⇒登録不要

2.そもそも「解体工事」ってどんなもの?

「解体工事」建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の全部又は一部を解体する建設工事(法第2条第3項第1号)
「解体工事業」建設業のうち建築物等を除却するための解体工事を請け負う営業(その請け負った解体工事を他の者に請け負わせて営むものを含む。)をいう。(法第2条第11項)
「解体工事業を営む」解体工事を含む建設工事の完成を請け負う営業のこと。
解体工事部分は自ら施工せずに他の者に請け負わせる場合であっても、その建設工事を請け負ったもの自身が「解体工事業を営む」ことになります。

3.解体工事業登録の必要な解体工事はどんなもの?

建築物の解体工事建築物を除却するために行うものです。(建築物本体は床面積の減少するもの、その他のものについては、これに準じます。)
例)住宅、住宅に付属する門や塀等
建築物以外の工作物の解体工事建築物以外の工作物を除却するするために行うものです。
例)土木工作物(橋梁、ダム、トンネル、道路等)等

4.解体工事業登録の要否はどう判断するの?
「解体工事業を営む」

(1)建設業許可(土木工事業、建築工事業、解体工事業のいずれか。)を取得している。
⇒解体工事業の登録は不要になります。

(2)建設業許可(土木工事業(※1)、建築工事業(※)、解体工事業(※2)のいずれか。)を取得していない。
a)500万円以上の解体工事を行う場合
⇒土木工事業、建築工事業、解体工事業のいずれかを取得する必要があります。
(※1)元請として総合的な企画、指導、調整のもと、「土木工事」「建築工事」として解体工事を行う場合。
(※2)上記(※1)以外の解体工事を行う場合。

b)500万円以上の解体工事を行わない場合
⇒解体工事業の登録は必要になります。

5.解体工事業登録の要件
解体工事業の登録を受けるためには、次の2つの要件を満たす必要があります。
(1)登録拒否事由に該当しないこと
下記の登録拒否事由に該当しないことが必要になります。なお、登録申請書類等に虚偽の記載があったり、重要な事実の記載がなかった場合は、登録を受けることができません。

【登録拒否事由】

1.解体工事業の登録を取り消された日から、2年を経過していない者
2.解体工事業の業務停止を命ぜられ、その停止期間が経過していない者
3.解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分日の前30日以内に役員であり、かつその処分日から2年を経過していない者
4.建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑罰を受け、その執行が終わってから2年を経過していない者
5.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者
6.解体工事業者が法人の場合、役員の中に、上記1)~5)のいずれかに該当する者がいるとき
7.解体工事業者が未成年で、法定代理人(法人である場合においては、その役員。以下同じ。)を立てている場合、法定代理人が上記1)~5)のいずれかに該当するとき
8.法第31条に規定する者(技術管理者)を選定していない者
9.暴力団員等がその事業活動を支配する者

(2)国土交通省例で定める基準に適合する技術管理者を選任していること
「技術管理者」とは、解体工事現場における施工の技術上の管理・監督を行う者をいいます。
技術管理者になるためには、下記に示す国家資格等や実務経験を有する必要があります。

【国家資格等】

根拠法等資格名
建設業法①1級建設機械施工技士
②2級建設機械施工技士(種別「第1種」又は「第2種」に限る)
③1級土木施工管理技士
④2級土木施工管理技士(種別「土木」に限る
⑤1級建築施工管理技士
⑥2級建築施工管理技士(種別「建築」又は「躯体」に限る)
建築士法⑦1級建築士
⑧2級建築士
職業能力開発促進法⑨1級のとび・とび工
⑩2級のとび・とび工の技能検定に合格した後、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者
技術士法⑪技術士(2次試験のうち建設部門に合格した者に限る
国土交通大臣が指定する試験(※1)⑫解体工事施工技士

(※1)(公社)全国解体工事業団体連合会が実施する解体工事施工技士の試験

【実務経験等】

学歴等解体工事に関する実務経験年数
(講習(※2)未受講)
解体工事に関する実務経験年数
(講習(※2)受講済み)
大学・高等専門学校卒業者で一定の学科(※3)を履修した者2年以上1年以上
高等学校・中等教育学校(※4)卒業者で一定の学科(※3)を履修した者4年以上3年以上
上記以外の者8年以上7年以上

(※2)国土交通大臣が実施する講習又は指定する講習((公社)全国解体工事業団体連合会が実施する「登録解体工事講習」)
(※3)土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地、造園に関する学科を含む)、都市工学、衛生工学、交通工学、建築学に関する学科。
(※4)いわゆる中高一貫教育で、卒業後は高等学校卒業と同等となる学校。

6.解体工事業登録の有効期間
解体工事業登録の有効期間は「5年間」になります。
解体工事業を引き続き営む場合は、5年ごとに登録の更新を行う必要があります。
更新を行う場合には、有効期間満了の30日前までに申請を行う必要があります( 申請は有効期間が満了する日の90日前から受付をしています。)。

7.解体工事業登録申請に必要な書類・申請手数料
解体工事業登録申請に必要な書類や申請手数料は次のとおりになります。
(1)提出部数
正・副本各1部(提出した申請書の副本は、後日、登録通知書とともに申請者へ返却されます。)

(2)提出書類一覧(※5)

提出書類名備考
解体工事業登録申請書(様式第1号)
誓約書(様式第2号)
技術管理者が要件を満たしていることを証明する、次のいずれかの書類
①実務経験証明書(様式第3号)
②資格証等の写し
・資格証等の写しの場合、申請時に原本を提示する必要があります。
・技術管理者と申請者が雇用関係にある場合、雇用関係を証明する書類(健康保険証等の写し)も必要となります。
登録申請者の調書(様式第4号)
委任状行政書士等が代理申請する場合
申請者本人の住民票抄本(外国籍を所有されている方は外国人登録原票記載事項証明書)又はこれに代わる書面(個人の場合)
技術管理者の住民票抄本(外国籍を所有されている方は外国人登録原票記載事項証明書)又はこれに代わる書面(個人・法人の場合)
「商業登記簿謄本」若しくは「商業登記事項証明書(履歴事項証明書)」(法人の場合)
役員(監査役、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主又は出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者(個人であるものに限る。)は除く)の住民票抄本(外国籍を所有されている方は外国人登録原票記載事項証明書)又はこれに代わる書面(法人の場合)

(※5)申請者が未成年で法定代理人がいる場合にはこの他に必要な書類があります。

(3)登録申請手数料
解体工事業登録の申請時には以下の手数料分の岩手県収入証紙が必要になります。

新規登録33,000円
登録の更新26,000円

8.行政書士報酬額

報酬額その他費用
新規登録55,000円(税込)33,000円(登録手数料)+ 証明書類(住民票等)の発行手数料
登録の更新44,000円(税込)26,000円(登録手数料)+ 証明書類(住民票等)の発行手数料

9.事務所概要
中居弘和行政書士事務所
行政書士 中居弘和
〒020-0108 岩手県盛岡市東黒石野2丁目4番1号
TEL:019-656-6382 メール:nkhr.gyosei@gmail.com
営業時間:8:30~17:30(土日祝日を除く)
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